みなさん、メリークリスマス(。・ω・)ノ
サンタがなかなか姿を現さないのが心配なムラタです。
さてさて、休みに入って、なかなかたるんでいるんですが、
明日から切り替えるために、読書の記録でも書きますよっと。
『フーコーの振り子 科学を勝利に導いた世紀の大実験』
アミール・D・アクゼル著 水谷淳訳
早川書房
物理のフーコーさんって、地味だという印象もってませんか?
振り子とか何やねん!って感じですよね普通。
私も最初はそんな感じでしたが……。
かっこいい。
彼はまともに数学ができなかったらしいです。
高等学校もギリギリで卒業し、大学(医学校)も途中でやめてしまいます。
なので、世紀の大発見をしたのにも関わらず、
多くの科学者たちに認めてもらえなかったらしいです。
それでも、彼には、次の2つの強みがありました。
・自然界を理解し、物理現象を観察する能力
・手先の器用さ
これらが、あの偉業につながったのです。
ケプラーにも、ガリレオにも、ニュートンにもできなかったあの偉業に。
それは、地球の自転の証明です。
フーコーさんは、光速の測定など物理学において数々の実績を残していますが、
そのもっとも有名な実験が「フーコーの振り子」でしょう。
「フーコーの振り子」とは、
単純明快な地球の「自転」の証明。
すごく自由な(ねじれや振動がなく360度動く)振り子をつくり、
外力を加えず(重力だけが加わるよう)に振り子をゆらすと、
振動面がある一定速度でゆっくり回転してゆく現象がみられる。
実際には、振動面が回転しているわけではなく、
地球とその上にいる私たちが回転している。
振動面が1回転して元の位置に戻ってくるまでの時間は、
T=24/sin(θ) : θは緯度
である。つまり、
北極点や南極点では24時間かかり、
北緯34度81分95秒の私の家では、43時間1分55秒かかり、
赤道の上では、回転しない。
という感じです。
自転の証明を明快にやってしまったというのは、
教会や科学界に大きな影響を与えました。
とくに教会にとっては非常に大きく、
地球が全宇宙のまん中であるというアリストテレスなんかの理論をとりさげ、
フーコーさんの実験を教会にて開催するものまででてきたらしいです。
一方、数学者の中では、
数学のできないフーコーさんがこれを導いたことと、
自分たちがこれに気がつかなったことに絶望さえ感じ、
かたくなにフーコーさんの成果をこばむ人もいました。
才能があるにもかかわらず、認めてもらえないという境遇が似ていたためか(詳細は謎い)、
ルイ=ナポレオンに気に入られ、さまざまな支援をしてもらいました。
そのおかげで、徐々にフーコーさんは認められていきました。
後にマッハやアインシュタインによって、正確な証明がなされました。
振り子が固定されているのは一体どの座標系かという新たな課題をかかえて。
またそのころには、
宗教裁判で死んだガリレオへの謝罪などが執り行われました。
フーコーさんは科学を勝利に導いたのです。
読んでいて感じたことは、
時代背景の移り変わり(共和制と帝制)なんかを見ていると、
フランスもおもしろいなと思いました。
実際にフーコーさんの実験を公開したパンテオンに行ってみたいとも思いました。
あと、フーコーさんの周りにいる名だたる哲学者、物理学者、天文学者、数学者が、
すごく勉強をする気にさせてくれました(笑)
デカルト、リサージュ、コーシー、フーリエ、ラプラス、ラグランンジュ、ワット、コリオリ……。
ということで、ちょっとでかけてきます♪
このままでは年越せないので><
ではでは。
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